【オススメ書籍】『肩をすくめるアトラス』 - moneyinfo

【オススメ書籍】『肩をすくめるアトラス』

1991年の米国議会図書館の調査で、『肩をすくめるアトラス』は、20世紀のアメリカで聖書の次にアメリカ人に影響を与えた本とされています。

この小説では、成功した産業家を攻撃する様々な規制の制定を受け、多くの傑出した産業家たちが財産や国を捨てた結果、社会に不可欠な諸産業が崩壊していくディストピア的なアメリカ合衆国が描かれています。

タイトルの「アトラス」とは、ギリシア神話に登場する天空を肩に乗せて支える巨人アトラスであり、傑出した能力で世界を支える諸個人を含意しています。

このタイトルの意味は、登場人物フランシスコ・ダンコニアとハンク・リアーデンの会話で明らかになります。

ダンコニアはリアーデンに、「もし努力すればするほど世界が肩に重くのしかかってくるアトラスに出会ったら、どうしろと言うか?」と尋ね、リアーデンが答えれずにいると、ダンコニアは「自分なら肩をすくめろと言う」と伝えます。

『肩をすくめるアトラス』のテーマは、著者のランドによれば、「人間の存在に果たす頭脳の役割」です。

本作品では理性、個人主義、および資本主義が擁護され、政府による強制の問題点が浮き彫りにされます。

ランドを賞賛するメディアグループの経営者スティーブ・フォーブスがフラットタックスを掲げて共和党の大統領候補に立候補したのは1996年のことと、一昔前のことですが、最近また注目を集めています。

あらすじ

タッガート大陸横断鉄道の副社長ダグニーは、政治的駆け引きに明け暮れる社長で兄のジムと対立しながら鉄道を経営している。成長著しいコロラドの路線の再建のため、彼女は起業家のリアーデンが十年をかけて開発した画期的なメタルを採用し、新線を完成させる。だが企業活動を阻む規制が強まるなか、実業家たちが次々と姿を消していく。

哲学は古代ギリシャにおいてのようにアカデミアの特権階級が独占するものではなく、あらゆる個人の思索と創意工夫、労働と密接に関わりを持ち、それに深く関与していくべきもの、というスタンスが描かれています。

本書を貫く思想を表す一節

「人々に高尚な哲学の領域に達してほしいと望むのはどだい無理です。文化を守銭奴の手から奪い取るべきでしょう。文学には国家の補助金が必要です。芸術家が行商人のように扱われ芸術作品が石鹸のように売られるのは恥ずべきことです」
「つまりあなたのご不満は、作品が石鹸のように売れないということですか?」
(『肩をすくめるアトラス』第一部 矛盾律 第六章「非商業的」より)

これはアメリカ文化とランド思想の両方に特徴的である個人主義の伝統に深く根ざしたものであるともいえます。

なにか高尚なすごいものが日常の生活や労働とは別にあると漠然とおもっていましたが、だが切ない結末を迎えてはじめて彼が悟るように、3部作の1200ページを読み終えるころには、「仕事をして暮らしていくこと」の中にこそ、人間の中で最上のもの、守るべきものがあると気づかされました。FIREとは真逆ですよね…

皆さまも一度読まれては如何でしょうか。

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