【漫画】朱戸アオ『リウーを待ちながら』あらすじ・ネタバレ - moneyinfo

【漫画】朱戸アオ『リウーを待ちながら』あらすじ・ネタバレ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染症を扱った漫画『リウーを待ちながら』(講談社、全3巻)が話題で、直近電子書籍で一気に読みました。かなりリアルな世界観で引き込まれました。

2017年が第1巻発売年とコロナ前の作品ながら、現在とかなり重なる描写のリアルさが注目され、重版続いているようです。

◆新型ペストが流行した架空都市が舞台

漫画タイトルは、同じくコロナ禍で改めて読み直されている仏作家アルベール・カミュの小説『ペスト』の主人公で、奮闘する医師「リウー」の名と、不条理演劇として知られるサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』をかけています。

漫画の舞台は、陸上自衛隊の駐屯地がある架空の街・静岡県横走(よこばしり)市。主人公の女性医師が勤める病院で患者の死亡が相次ぎ、原因は自衛隊が海外派遣先の中央アジアから持ち込んだ新型ペストだと判明します。なかなか現実を受け止められず、リスクを過小評価する点もコロナの初期段階に非常に似ています。 

政府は緊急事態宣言を出し、横走市を封鎖。会員制交流サイトや風評で悪意が拡散し、横走の関係者が苦しむ様子は、現実世界で起きた新型コロナ感染者への差別的対応や、帰省先でのコロナ感染確認後に東京に戻った女性への「私刑」とも言えるインターネット上での非難や中傷といった動きと重なり、かなりリアルです。

◆社会の混乱も予言

日用品が不足する横走では、物品を「密輸」する小悪党も登場。こちらも、政令による規制にまで至ったマスクの転売問題をほうふつとさせます。一時期マスク高かったですよね!

◆多面的な見方

印象的だったのは、母親をペストで亡くし、オンライン授業を受ける横走の女子高校生が、市外の同級生との間に疎外感を覚え「悪いのは病気をここに持ってきた人達でしょ」と憤るシーンです。

対して、主人公に協力する男性医師は、コスト面から環境基準の緩い国に養豚場が造られ、日本人が食べる安い豚肉と新型インフルエンザは同じメキシコの村から来たとし、「悪いのは新型インフルエンザを日本に持ち込んだ人かな?」と問い返します。ある事象を別の観点から見ると、何が善で何が悪か見え方がガラッと変わります。

また新婚ながらもパートナーの死を受け入れることのできない男性の表現も印象的でした。コロナになった人がまるで病原体のように悪者扱いされる、そのような現実が漫画では描かれています。

『ペスト』からの引用もあり、「ペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」とのリウーの言葉も真実をついています。コロナ禍で、飛沫感染対策がなされていない愛知の音楽イベントがあったり、対策をしていない不正受給の飲食店があったりと、なかなか誠実さが試されているので、深い深い言葉です。

応援クリックお願い致します!

にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA